Hiroshi Yamamoto(アナウンサー)

信じています。青いユニフォームを身にまとったあなた方を信じています。

サッカーに思いを捧げてきた私達は、心のなかで今、日本代表とひとつになっています。

信じています。いつものように有らん限りの力で前に向かって闘ってくれることを。

2002年6月4日…日本でのワールドカップ…ベルギー戦のキックオフです。

フランスのために、すべての選手が一丸となって、そして、ここにいる選手だけではありません。

Jリーグで戦っているすべての選手が胸の中に同じユニフォームを着ています。

このピッチの上、円陣を組んで、今、散っていった日本代表は、私たちにとって『彼ら』ではありません。これは、私たちそのものです。

決勝戦は最も厳しい試合です。祝福の中で自らの敗北を認めなければならないのです。

東京千駄ヶ谷の、国立競技場の曇り空の向こうに、メキシコの青い空が近づいているような気がします…。

─86年メキシコW杯アジア地区予選、韓国戦を前に

いまだに「オフサイドって何ですか?」という問い合わせがあるんです。一方サッカーに詳しい人はものすごい情報量を持っている。

地上波で伝える側として、どこの視聴層に合わせて放送していいのか試行錯誤の状態なんです。

フランス大会から初めて「人間としての放送」が始まったんじゃないかという気がするんですけどね。それまでは単なる傍観者といいましょうか。

日本代表が世界に近づいたかという問いがあります。確かに近づきました。それ以上に私たちを世界に近づけてくれたのです。

山本 浩(やまもと ひろし、1953年4 月12日 - )は、法政大学スポーツ健康学部教授。元NHKエグゼクティブアナウンサー解説委員(スポーツ・体育分野担当)。サッカー実況のカリスマの異名をとる。